右手首を骨折した(その4)

受傷して、1週間ほどは、死人の手みたいでした。浮腫んで色が変わってくるし、内出血の範囲が広がってきて親指の先が青紫に変色してくるし。先生に「これ、死人の手みたいなんですが、大丈夫なんですか?」と問うたところ、「皆さん、手が死んでるみたいだと仰るんですが、大丈夫ですよ~、そんなもんです。」と笑い飛ばされてしまいました。

変色と言えば、指の外側がだんだん日焼けしたみたいに黒っぽくなりました。当初、「親指が鬱血してまだ戻らないな~、痣になってんのかな?」と思っていました。ある日、これの一部がペリッと剥がれたんですね。「これ、垢だったのか・・・」。1ヶ月近く、手を洗わないとどうなるか、貴重な経験を頂きました。指の外側は黒っぽく日焼けしたみたいに瘡蓋状になります。内側はそんなでも無かったですね。動かしていたからでしょうか。掌からは何となく香りが漂ってきますが・・・。手の甲やギプスをしている腕からは、フケ状もしくは粉状になってパラパラと落ちてきます。ギプスを取る直前なんか、腕を動かす度にバラバラと落ちてくるのには閉口しました。 ギプスを外した初めての風呂は、すごかったですね。こんなにも垢にまみれていたのかと。

しかし、怪我をしたのが秋で良かったです。汗もかかないし乾燥していますからね。もし夏場だったら、蒸れて大変だったかもしれません。 そういえば、ギプスの内側がかゆいとき、竹の耳かきが結構役に立ちました。新品よりも使い慣れた物の方がやさしくて良い感じです。

右手が使えない、というのは非常に不便です。家の中では食事、洗顔、着替え、家事、外に出た時は自動改札、字を書くこと、ペットボトルや飲料缶を開ける時、等など。世の中、片手の人には厳しいなぁ・・と感じます。ただ、左手で箸を使ったり、洗顔、一般家事など2週間ほどで出来るようになりました。ペットや缶を開けるときは足も使いました。文字を書く訓練は力を入れなかったので上手くかけるようにはなりませんでしたが。

寝るときも大変です。肘まで固定されていた時は腕全体が動かしづらく、寝返りが出来ないんですよね。手を頭の方へ挙げて敬礼の格好で寝てました。初めは非常に寝辛いんですが3日もすると慣れます。ギプス外した後も腕や手が痛かったりするんで寝相が良くなった気がします。

(続く)